稽古場でのレッスン用に編集された曲集を紹介します。
稽古場のピアニストにとっては曲選びは常に頭の痛い問題です。
こんな楽譜がありますよ、という情報を是非お寄せください。
順次掲載させていただきます!
- CHOIX DE MUSIQUE DE DANSE 〜RYTHMIQUE CLASSIQUE EXPRESSIVE
- Music For the Ballet Class Vol1.1/Elizabeth Moore
- Au Studio De Danse Classique et Rythmique / Annie Lerolle
- La Classe De Danse〜 Classique et Rythmique / Annie Lerolle
- Huguette LAMBA POUR LA DANSE Classique-Expressive
一般にピアノを演奏する人達にとって楽譜というのはショパンのワルツのように1曲が7ページ8ページという長さのものが14曲収められているといった曲集、あるいは単独で数十ページにわたるものから、4ページくらいのひらひらのピースまで、いずれにしてもその曲の長さは相当数、数えるのが面倒な小節の数にわたるでしょう。
ここで取り上げるバレエのエクササイズ用の曲が集められた楽譜は通常のピアノ曲に慣れ、親しんだ方が手にとってご覧になると、え?とびっくりなさるかもしれません。どれもほぼ16小節、32小節・・というとても短い曲です。ベートーヴェンの悲愴ソナタの美しい2楽章を32小節で終わらなければならないのはとても残念なのですが、そういう使い方を求められるのがバレエの稽古場の音楽です。
バレエのエクササイズ用にオリジナルで作られた音楽にも素敵な曲がたくさんあります。小さな曲たちですが、そういった眠れる現代曲の小品もおいおいご紹介していければ、と思います。
なお、現在掲載の楽譜の購入については下記のお店へのお問い合わせをおすすめ致します。
ヤマハ銀座店 アカデミア・ミュージック
次のようにご紹介します。
本の題 作曲、若しくは編曲者 出版社 |
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内容、その他 |
※輸入版の楽譜についての表題、出版社は原語表記。
※は、バレエ作品を含む一般的に知られたクラシック曲。
※は表記の作曲者によるバレエレッスン用に作られた曲。
CHOIX DE MUSIQUE DE DANSE 〜RYTHMIQUE CLASSIQUE
EXPRESSIVE Edition Henry Lemoine / Paris |
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バー、アンシェヌマン、コンテンポラリーなど6つのセクションに分かれ、92曲が掲載。 実際には各セクションにとらわれないで必要に応じて選択して使うことが可能でしょう。 ベートーヴェンのエコセーズ、シューベルトのワルツ等の他、シューマン、J.シュトラウス、チャイコフスキー、ウェーバー、プーランクなどおなじみの作曲家のピアノ曲の断片が並んでいます。 ツェルニーのエチュードがいくつか収められているのですが、単調でつまらない?と思える8小節ほどの練習曲が何故か稽古場ではなかなかチャーミングに生き返ります。 シューベルトのピアノ曲ががいわばダンス音楽の宝庫ともいえるのもこの曲集を開くと気付かされます。 |
Music For the Ballet Class Vol1.1/Elizabeth
Moore Cramer Music / London |
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バー12曲、センター14曲が掲載。各曲にプリエ、グランバットマン、など使用に向いたエクササイズ名が記されています。 ビゼーの「カルメン」ロッシーニ「セビリヤの理髪師」といったオペラやオペレッタからの抜粋をピアノ用に編曲。比較的弾き易い編曲ですが、上級者のクラスなどでは音が薄いと感じられる場合もあり、ピアニストによる工夫が必要かもしれません。デヴェロッペ用「愛の妙薬」からのアリアなどは気持ちよく弾け、使えます。 オペラの曲も有名なアリアをはじめとしても使えるものはたくさんあるでしょう。その華のある、そして自然に耳に入ってくるシンプルな旋律は気持ちよく動く手助けを大いにしてくれるのではないでしょうか。ただ、この場合ピアニストにとっては編曲が問題。実用的な編曲であって欲しいんですよね。濃すぎず、薄すぎず。 単音を和音に、間延びするところにちょっと音を加え、左手のバスをオクターブに・・というようなピアニスト自身のほんのちょっとの工夫が加えられるだけでも違うのですが、楽譜に書かれてある音符を忠実に弾くことが「基本のき」であるクラシックの勉強をこつこつと続けてきたピアニストにとっては、楽譜の音を変えるというのはなかなか頭の切り替えが必要なことです。 オペラのアリアの旋律は小さな子供のクラスよりは年齢層の高いクラス向けかもしれません。が、そうすると、あまりに単純な編曲の場合、弾く方は一見楽なお仕事でも、弾き始めるとなんだかこの曲ぴんと来ないわ、物足りないわ・・という稽古場の空気に冷や汗が出始め、弾きながら次第に「しまった・・・選曲、はずした・・・」と追い詰められます・・ね。 弾き方で工夫することは出来てもやはりこの種の楽譜でお馴染みの旋律を安定したリズムの伴奏と気のきく響きで弾きやすくまとめられた曲集に出会えると嬉しいものです。 |
Au Studio De Danse Classique et Rythmique / Annie Lerolle GERARD BILLAUDOT EDITEUR / Paris |
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VOL.1〜3まで3冊に分かれています。 ここではVOL.1 バーの内容について説明します。38曲掲載。プリエのために5曲、という具合に各エクササイズごとの曲が豊富です。小節数も8小節で終わるものから、繰り返しを含んで64小節までのものと、使いやすく種類があります。♯、♭が2個までの曲がほとんどですが、音の厚みも手頃で、ツボを抑えて作られており、日本人の手にも無理なく、弾き易いでしょう。 旋律のパッセージの頭の拍のみをを6度でとったり、単純な四分音符の並びは3度を使い、左手には時々オクターブをつかませ・・という具合に要所要所ちょっと音の厚みが加えられています。 たとえばブンチャッチャのリズムの全部をオクターブのバスと和音は4つの音でつかみ・・では迫力は得られますが、何曲もこなさなければならない、あるいは繰り返し何度も弾かなければならない稽古場ピアニストにとっては少々しんどいものです。この曲集ではそのあたり、嗚呼わかってくれてる!という安心感が得られる曲作りがなされています。 |
La Classe De Danse〜 Classique et Rythmique
/ Annie Lerolle Edition Henry Lemoine / Paris |
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La Barre(バー)、Le Milieu(センター)各1冊。 バーの内容について説明します。110曲掲載。 バレエのオリジナル曲数曲の他はクラシックのピアノ曲からの抜粋です。シューマンのパピヨン、メンデルスゾーンの無言歌集などの他、フランス近代の音楽が多く含まれており、フランス物の好きなピアニストにとってはちょっと嬉しい選曲です。御馴染みのドビュッシー、フォーレをはじめビゼー、シャミナード、プーランク、セヴェラックなどの音楽の断片が散見されます。技術的にはクラーマー・ビューローのエチュードなども含まれているように、稽古場での初見はちょっと危険な曲も多いかもしれません。 この曲集の音楽は個人的にはとっても好きなものが多く、音楽的な面で弾く嬉しさがある曲集です。又、バレエのなかでも優雅で流麗な動きに対し、より多くサポートできるものと感じます。フランスものの響きはピアノを弾く側にとって、好みは分かれるところと思いますが、長くバレエに携わってる人にとってはその透明で明るい開放的な響きはむしろ自然に耳に馴染んでるものなのかもしれません。 |
Huguette LAMBA POUR LA DANSE Classique-Expressive Edition Henry Lemoine / Paris |
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87曲。 レント系では、LannerのDanse Styriennes-Op.165、ブラームスのワルツNo2(フォンデュに使ってます)、チャイコフスキーのValse
d7Oneguine Op.24は、グランワルツに使ったり、ピルエットに使ったりしてます。最後にはジャズ風の曲もそろっています。 (京都 娑羅様よりの投稿) |
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