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お役立ち情報のご案内 アンケート

現役バレエピアニストを対象にアンケートを実施いたしました。

メールを使って、バレエピアニストの仕事に関して実態と意識を簡単に調査したものです。
今後この仕事を目指す方、現在現場で弾かれてる方への参考としてお役に立てれば幸いです。

調査期間 2001年 8月28日〜9月11日
総回答者数 13名
自由記述回等のものについては、若干手を加えてはありますが、重複する内容などを除いて可能な限りそのままの内容を掲載させていただきました。

御自身の大切な経験を惜しみなく書き綴ってくださったピアニストの皆様はじめ、
ご協力いただいた方々に厚くお礼申し上げます。


質問
バレエピアニスト歴は何年ですか?
ブランクがおありの方はブランクの期間を含めずに、実際にバレエピアニストとして活動された年数の合計をお答えください。 
答え
1 年未満 1人
1〜5年 6人
6〜10年 3人
11〜  3人
・最長29年

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質問
2 現在、主にどのような場で演奏されていますか? (複数回答有り)
答え
a. 主に愛好者を対象にしたクラス 10人
b. バレエ学校、高校、専門学校、
大学などのバレエ教育のクラス
8人
c. プロのバレエ団 4人
d. その他(具体的にお書きください) 2人
・ バレエ教師対象のクラス、
・ 講習会

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質問
3 平均して1週間に何時間くらいバレエの演奏をしていますか?
答え
1時間〜5時間 6人
6時間〜10時間 2人
11時間〜15時間 2人
16時間〜30時間 2人
無回答 1人

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質問
4 どういったきっかけで仕事をはじめられましたか?(複数回答有り)
答え
a. 自分がバレエを習っている場で
依頼を受けて
なし
b. 知人等から依頼を受けて 10人
c. 弾かせてもらえるよう自分から頼んで 2人
d. その他(具体的にお書きください) 2人
・学生アルバイトとして始めた
・希望していた矢先、教室を紹介され話が進んで

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質問
5 バレエピアニストになるためにはピアノはどの程度のレベル弾けることが必要と考えますか?
答え
a. 音大ピアノ科を卒業すべき なし
b. 専攻に関わらず音大は卒業すべき なし
c. 音大卒業ではなくとも同等程度の
レベルの演奏力は必要
6人
d. その他(ご自由にお書きください) 7人
 

ツェルニー40番程度が弾ける。

くるみ割り人形の組曲版を踊りにつけられるくらい弾ける程度。勿論、大変な音は省いても可。あとはやってるうちに上手くなる。しかし、譜面が読めなくても、レッスンピアニストをやっている人もいるので、本当に、一概には言えない。

以前はcのような考えを持っていたが、先日見学させて頂いたピアニストの方は少々ダイナミックさに欠けていたものの、レッスンの進行としてはすごくいいピアニストだったので音大を出ていないと後で覗って驚いた。その方曰く「ただ好きなんです!」ということ。ピアノがどの程度のレベル弾けるかという問題よりバレエをどの程度知っていて、どの程度熱心か、好きか、協調性があるか、ダンサーや先生への気遣いがあるか・・・

音大を出ている必要はないが、ある程度の知識は必要。そう意味では音大を出ているのはプラスになってくる。

一概にピアノ科卒と考えなくても良いのでは・・音大は学校間のレベル格差が大きいし、ピアノ科出ていたら良いってものでもない。かえって作曲の勉強をしている人が向いているかもしれないと思うときがある。

いわゆる音大での勉強とは求められていることが違うので、よくわからない。臨機応変な即興の対応力、いろいろな音楽への適応力、読譜の速さ、その上である程度弾けることが必要。

上手に越したことはないが、根本的な意味で言うと、技術のレベルで線を引くことはできない。芸大や桐朋のピアノ科を出てても、現場で通用しなかった方はたくさんいるし、現に、音大出身でないバレエ・ピアニストは意外なくらい多い。

バレエピアノは、ソロのピアノと違う要素が多々あるので、演奏力というよりも、一つ一つのレッスンに合った音量や、厚み(和声)をちゃんと感じられるという音楽性が必要。一人よがりな演奏になっては、いくら技術が素晴らしくても、稽古場では異なものになってしまうもの。主な仕事として、楽譜のないものを耳で聴いてコピーするということがあるので、そういう意味では、聴音や記譜などの専門的素養は必要。 

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質問
6 バレエピアニストに特に必要な勉強は具体的にどのようなものと考えますか?ご自由にお書きください。
※複数の回答に共通して挙げられてる項目は適当な言葉でまとめさせていただきました。
答え

・初見視奏 
・伴奏付け 
・変奏 
・即興演奏 
・ある程度の作曲 
・和声学 
・コードネーム
・編曲
(楽譜どおりにしか弾けないのでは困る。音の事だけでなく2拍子の物を3拍子に、またその逆など) 
・聴音
(楽譜がない場合へ対処できるよう) 

---以上、太字は多数の回答に共通---

ピアノのテクニックはあればあるだけよい(余裕につながる)

安定したテンポ感と踊り心を引き出すようなフレーズ感の演奏力を身に付ける

in tempo で演奏できる。(盛り上がりで速くなったりしないなど)

なるべく沢山の音色を出せる

ありとあらゆる曲に好奇心を持って、弾けるようにすること
16小節だけでも良い。バレエやクラシックのピアノ音楽だけではなく、オペラ、カンツォーネ、ポップス等様々なジャンルの音楽を知る。バレエのバリエーションの曲をできるだけ多く覚える(暗譜が鉄則)。 循環コードをたくさん身に付ける(出来たら凄く便利。即興に役立つ。)

舞踊の基本リズムを知る

どんなリズムがどんな動きに合うのか知る。

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譜面、鍵盤、正面を見ないでも弾ける(常にではないが)

弾いている事だけに集中しないで、弾きながら周りで起こっている事を把握できる

楽譜にとらわれない柔軟さ

譜読みの時から、弾き間違えても、絶対に弾き直したり止まったりしない癖をつける。

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歌や楽器の伴奏(テンポの柔軟性を得る意味でよい勉強になる)

指揮伴の経験

オーケストラ譜を読む(「白鳥の湖」など規制のバレエ曲をやるときのために)

お稽古ピアニストだけしていると、必ずタッチが荒れるので、メンテナンスも必要

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バレエの基礎知識 バレエ用語の勉強(基本的なパの名前は知って理解しておく)
「ただ単に『このステップにはこういう曲想』という理解ではなく、ステップの運動性を理   解すること。どこの筋肉をどう使い、この部分を伸ばす訓練・・など。」

バレエ作品の理解。
「レッスンピアノのみを弾くのであっても、作品中には当たり前ですが、レッスンで行うス  テップがあり、どういう曲に ステップが組まれているか、ステップの雰囲気や、そもそも  ダンサーの心理などを考えてあげられるヒントも隠されている。」

出来ればバレエを経験する

なんらかの形でバレエを見て動きと音の絡みを感覚的に掴むこと。
ダンサーを観ること。バレエを観ること。バレエに触れる機会を持つこと。実際の舞台、  CD、VTR、稽古場見学など。常に工夫し、『踊りやすい音楽』を忘れない。

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場の雰囲気を読む力

可能な限り、現場で経験を積むこと。

語学力―特に英語

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「この仕事は、ピアノがバリバリ弾けるから、大丈夫、ということは絶対になく、却ってクラシックの基本にとらわれていたら、踊りにくい演奏になってしまうおそれがある。」

「稽古場に馴染むこと。ダンサーや、教師と話すこと。人間として認め合えなければ、良いレッスンはできない」

「何を言われてもめげないずぶとい神経、その反対に、相手を思いやる繊細な神経」

「曲探しにはじまり、曲探しに終わらず・・・まだ続いています。 しかし、最終的には、一に根性、二に根性、三に謙虚、四に根性。 キツイ言葉で罵られようが、文句言われようが、しょげず、めげず、なんとか相手の要求通りの音を出してやる、というくいさがる気持ち。その他、うまく言えませんが、いろいろな心構えの方がずっと大事な気がします」

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質問
7 バレエピアニストの仕事を得るために具体的にどのような活動方法が考えられますか?
今後仕事を得たいと考えている方のためのアドバイスがありましたらお書き願います。
(以下全てほぼ原文のまま)
答え

学校や同門など、知り合いに関係者がいれば、その方に相談する。何も伝がなければ、手当たり次第、教室やカンパニーに当たってみるしかないでしょうか。たまたま問い合わせた先で、ピアニストが足りなくて、すぐ採用された、あるいはしばらくたって連絡が来て、採用された、その手の話はよく聞きます)

バレエ団に直接交渉するのが,まずいちばん!そのうち,誰かが可哀想に思ってくれて紹介してくれる。運が良ければの話だが‥‥ 

見学を申し込み、教室やバレエ団、ピアニスト等関係者に直接働きかける。レパートリーを自分なりに身に付けながらできるだけすぐに使ってもらえるような状態を作っておく。  

ある程度の自分なりの準備や知識を得てから、見学に行く。度胸だけでアタックして迷惑をかけないよう、自覚を持ってから、積極的にあたる。

地元のバレエスタジオへ見学に行き、そこで交渉してみるとか、バレエピアノの仕事をしている人に、空きがあったら仕事をしたいことを伝えておく事などだと思います。

私の場合、結果的に「仕事を得る」ことに繋がったのですが、自分たちのコンサートをする時、バレエとコラボレーションすることを3回ほどやりました。

見学先で仕事をしたい旨をお話してみるなど・・・。

まずは、自分から行動する。いろんなバレエ教室に見学に行く。これは、ピアニストのいらっしゃるところです。そして、色々な人たちと出会うことに尽きると思います。

地方では、生ピアノでレッスンしている稽古場を見つけること自体大変難しいと思います。電話するなり、HPで運良く見つかったら、見学させてもらうに限ると思います。あと、地元でなくてもいいなら、ピアニストの講習会を受ければ、そこで募集がある場合が多いです(私の経験では)。

バレエ団にかたっぱしから電話してみる、くらいしか思いつきません。あとはやりたい、と強く念じると。向こうからやってきたりします。(笑) これは半分冗談ではありません。こういう事って結構あるんです。(^_^)

「レギュラーピアニストの都合が悪くて、エキストラの依頼が来たときには、レギュラーピアニストよりも圧倒的に上手に弾いてみせること」 
厳しく聞こえるかもしれませんが、残念ながら、日本ではまだまだ生伴奏の稽古場は少ないのです。 誰かが仕事を得るということは、誰かが仕事を失うということを意味していると考えたほうがよいでしょう。言い換えれば、仕事が欲しければ、現役の経験豊富なピアニストたちとの競争に勝たなければいけない、ということです。そのためには、日頃から訓練を怠らないことです。特にリハーサル・ピアニスト志望の方は、仕事の依頼の有無にかかわらず、有名作品のスコアを出来るだけ譜読みしておく必要があると思います。いくら熱意を見せて売り込みをかけても、弾かせてみるとダンサーの邪魔をしているだけ、となってしまっては熱意が仇になります。自信が出来るまでは、売り込みは控えめなほうが良いでしょう。

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