1 バレエをピアノで?
バレエピアニストと聞くと誰しもほぼ十中八九「え?バレエを、あの・・ピアノの伴奏で?」という具合に聞き返してきます。
「だって、普通テープでしょう?」・・はあ、まあ、そうですよね、大体のバレエ教室みたいなとこでは・・。「ほら、先生が小型のカセットプレーヤーかなんか持ってきてさぁ?」・・・うーん・・カルチャーセンターのエアロビクスのクラスあたりと感違いしてる? で、少々労を要するのですが、説明をします。すると「へえ〜そういうのがあるの、バレエピアニストって言葉があるんだあ!」とこんな具合です。
最近はバレエピアニストという言葉も少しずつ世の中に広まってきているようですが、どうもこの言葉、説明するのになんとなく苦労します。「バレエ」の世界も「ピアニスト」の世界も確かに一般的にそう馴染みのある世界ではないですよねえ、確かに。お昼の焼肉定食の後、隣の女性にいきなりにっこり笑って「私、バレエピアニストしてるんです」って目の前で言われても摩訶不思議の暗中模索・・。
じゃあ、実際どんなことしてるの?ですよね。えっーと、ですから、バレエの広いお稽古場の隅っこにピアノが置いてあって、バレエの先生が「お願いします」とかなんとか言うと弾きはじめて、で、みんなそれに合わせて踊りだす・・。
バレエの稽古場はバーと鏡なしには成り立たない空間です。バーにつかまり、注意深く、つま先を伸ばし、自分のポーズを観察し、指先の隅々にまで気を配り、そして存分に跳び、回り、動く。その空間の隅にピアノが1台。
今私が弾いてる稽古場は吹き抜けの天井の広いスペースです。ちょっとした小型の体育館といっても大げさではないかもしれません。ピアノはグランドピアノが1台。ヤマハのG3を弾けるのは稽古場のピアニストとしてはかなり幸せかもしれません。といってもそのピアノが入る前は小さな電子ピアノでしたけど。
では、これからバレエのレッスンのひとこまをご紹介しましょう。
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